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一心に描いて、ウケないとき

今日びの漫画描きは、世間に作品を露出させる手立てをいくつも持っている。

 

一昔前は出版社に持ち込み、賞を取り、何べんもの連載会議を通してやっと作品は紙面にて公開されるものだったが、今はSNSや作品公開サイトを介して、手軽にインターネット上で作品を公開できる。

 

もちろんそれは勝手気ままな趣味だからこそできる芸当であり、趣味の範疇だから世間の評価は気にしないという人もいるだろう。

 

だが、ウケたい。

 

漫画描き、いや、何かを作る人ならわかるだろう。

あれだけ一生懸命に、毎日毎日頭を抱え、ペンを握りしめ、寝る間を惜しんで描いて来たのだ。そんな自分が誰かにほめられたとてバチはあたるまい、ほめてくれと思うはずだ。

 

だが、ウケない。

 

作品がつまらないのか、ネットワークによる情報の氾濫が読者と作品を遠ざけているのか、流行でないのか。

思い当たる原因はいくつかあれど、ウケないということはかくも悲しきことか。

 

そんな悲しみを乗り越えるためにどうすればよいのか。

 

その答えに正解はない。

いっそ漫画をやめてもいい。死ぬわけでもあるまい。

 

私なら、それでも描く。描くために描くしか、描けないのだ。

 

一心に描いて、ウケないとき、それでもなお描くしかない。

さて、描こうか。

 

余談だが、つい先日新作のマンガを公開した。

 

カレオバナ

 

36ページの制作に2か月を費やした努力作だが、つまりはそういうことである。

願わくば、拙作が多くの読者に恵まれることを。